道路工事現場や商業施設で警備員を見かけることがありますが、実は警備業務には種類があることをご存知でしょうか。交通誘導警備と施設警備は、どちらも私たちの安全を守る重要な仕事ですが、業務内容や求められるスキルには大きな違いがあります。

長崎県長崎市を拠点とする株式会社アスタでは、交通誘導警備・雑踏警備・駐車場警備を専門として、地域の安全と安心を支えています。警備業界において、これらの業務は警備業法によって明確に分類されており、それぞれ異なる専門性と役割を持っています。本記事では、特に交通誘導警備と施設警備の違いについて詳しく解説いたします。

 

警備業法による警備業務の分類


警備業務は、警備業法第2条により1号警備から4号警備まで4つの業務区分に分類されています。この分類は業務内容の性質や対象によって明確に定められており、警備会社は認定を受けた業務のみを行うことができます。

 

1号警備(施設警備)とは

1号警備は施設警備業務とも呼ばれ、オフィスビルや商業施設、工場、学校、病院などの施設において、盗難や事故の発生を警戒・防止する業務です。具体的には、施設警備業務、巡回警備業務、保安警備業務、空港保安警備業務、機械警備業務の5つに細分化されています。

国内の警備業務の約半数を1号警備が占めており、私たちの日常生活に最も身近な警備業務といえるでしょう。

 

2号警備(交通誘導・雑踏警備)とは

2号警備は、人や車両の雑踏する場所または通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒・防止する業務です。交通誘導警備業務と雑踏警備業務に分けられ、道路工事現場やイベント会場などで活躍しています。

警備業法第2条第1項第2号により定められており、不特定多数の人や車両の動きをコントロールすることが主な特徴となっています。

 

 

交通誘導警備の業務内容と特徴

交通誘導警備は、工事現場や商業施設、イベント会場などで車両や歩行者の安全な通行を確保する業務です。警備業法では「交通の誘導に係るもの」として明確に定義されており、道路交通法との関係も深い専門的な業務となっています。

 

主要な業務内容

交通誘導警備の主な業務は以下の4つの場面に分けられます。

業務場面
主な業務内容
道路工事現場
車両の停止・進行指示、迂回路案内、歩行者への通行経路案内
商業施設駐車場
駐車場の出入り管理、車両誘導、混雑時の整理
イベント会場
来場者の車両誘導、緊急車両用通路の確保、雑踏整理
建設現場
大型車両の誘導、現場内での安全確保、重機との連携

「参照:SPD株式会社 交通誘導警備員とは」

交通誘導警備員は、警笛・誘導棒・手旗・白手袋を使用して車両の運転手や歩行者に合図を送ります。重要なのは、警察官や交通巡視員の行う「交通整理」とは異なり、交通誘導警備員の指示には法的拘束力がないということです。あくまで安全のための協力要請として業務を行っています。

 

必要な資格・スキル

交通誘導警備を行うために特別な資格は必要ありませんが、高速道路や自動車専用道路などの指定路線で業務を行う場合は、交通誘導警備業務検定2級以上の合格者の配置が義務付けられています。

重要ポイント
交通誘導警備業務検定には1級と2級があり、2級は18歳以上であれば受検可能です。1級を受検するには2級取得後1年以上の実務経験が必要となります。

 

施設警備の業務内容と特徴

施設警備は1号警備の代表的な業務で、様々な施設に常駐または巡回して、盗難や事故、不法侵入などを防止する業務です。建物内での警備が中心となるため、交通誘導警備とは大きく異なる専門性が求められます。

 

主要な業務内容

施設警備の主な業務内容は多岐にわたり、以下のような要素が含まれます。

出入管理

業務内容:身分証チェック、来訪者受付、車両出入り管理

目的:不審者侵入防止、関係者以外の立ち入り制限

巡回業務

業務内容:施設内定期巡回、設備点検、異常有無確認

目的:火災・盗難・設備故障の早期発見

監視業務

業務内容:防犯カメラモニタリング、異常監視

目的:施設全体の安全状況把握

緊急対応

業務内容:火災・事故時の初期対応、避難誘導

目的:被害拡大防止、人命安全確保

「参照:ALSOK 施設警備業務」

 

施設警備の種類

施設警備は1号警備の中でも5つの業務に細分化されており、それぞれ専門性が異なります。

警備業務種類
主な対象施設
業務特徴
施設警備業務
オフィスビル、商業施設、工場
常駐型、24時間対応可能
巡回警備業務
複数施設、住宅地
車両使用、定期巡回
保安警備業務
百貨店、スーパー
万引き防止、私服警備
空港保安警備業務
空港施設
X線検査、金属探知
機械警備業務
一般住宅、事業所
センサー監視、急行対応

「参照:全国警備業協会 警備業とは」

 

両者の違いを徹底比較

交通誘導警備と施設警備は、同じ警備業務でありながら、多くの点で大きく異なります。それぞれの特徴を理解することで、自分に適した働き方や業務を選択することができます。

 

勤務場所・環境の違い

両業務の最も大きな違いは勤務環境です。交通誘導警備は主に屋外での業務となり、天候の影響を直接受けます。一方、施設警備は屋内での業務が中心となり、比較的安定した環境で働くことができます。

長崎市のような温暖で湿度の高い地域では、夏場の交通誘導警備は熱中症対策が重要となります。一方、商業施設や病院などでの施設警備では、快適な空調環境で業務に従事できることが多いです。

 

働き方の特徴比較

比較項目
交通誘導警備
施設警備
勤務環境
屋外中心、天候の影響あり
屋内中心、空調完備
年齢層
60代以上も多数活躍
30~40代中心
勤務時間
工事進行により変動
24時間体制、シフト制
業務の種類
車両・歩行者誘導
多岐にわたる総合的業務
必要スキル
瞬間的判断力、体力
総合的知識、コミュニケーション
現場数
多数あり、選択の幅が広い
固定、長期契約が多い

「参照:セキュリティーワーク 施設警備と交通誘導警備の違い」

交通誘導警備は現場数が多いため、自分の都合に合わせて働きやすい特徴があります。工事の進行状況により予定より早く終了することも多く、短時間で効率的に収入を得ることも可能です。一方、施設警備は長期的な契約が多く、安定した勤務環境を求める方に適しています。

 

長崎市での警備業務の現状

長崎市は観光都市として多くの来訪者を迎える一方で、港湾都市としての特性も持っています。このような地域特性により、警備業務においても独特のニーズが存在します。

長崎ランタンフェスティバルや精霊流しなどの大型イベント時には、雑踏警備や交通誘導警備の需要が急激に高まります。また、長崎港周辺の商業施設や観光地では、多言語対応が可能な施設警備員のニーズも増加傾向にあります。

地域特性
長崎市の地形は坂道が多く、交通誘導警備においては特に歩行者の安全確保に細心の注意が必要です。また、観光バスの駐車場誘導など、一般的な乗用車とは異なる大型車両への対応スキルも重要となります。

株式会社アスタでは、こうした長崎市の地域特性を熟知したプロフェッショナルとして、交通誘導警備・雑踏警備・駐車場警備を通じて、地域の安全と発展に貢献しています。県内各地で培った豊富な経験と実績を基に、それぞれの現場に最適な警備サービスを提供しています。

 

警備業務選択時の重要なポイント

交通誘導警備と施設警備のどちらを選ぶかは、個人の体力や志向、ライフスタイルによって決まります。交通誘導警備は体力を使う屋外業務が中心ですが、現場数が多く柔軟な働き方が可能です。一方、施設警備は幅広い知識が必要ですが、安定した環境で長期的に働くことができます。

どちらの業務も社会の安全を支える重要な役割を担っており、専門性と責任感が求められる職業です。警備業法による厳格な規制の下で業務を行うため、適切な教育と訓練を受けることが不可欠となります。

長崎県で警備業務をお考えの方は、地域に根ざした実績を持つ警備会社を選ぶことが重要です。株式会社アスタでは、未経験の方でも安心して始められる教育体制を整えており、交通誘導警備を中心とした専門的なサービスを提供しています。


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